再三書いている津軽デジタル風土記の展示発表の内容がほぼかたまったので、今回はこの話題が中心です。


前にも書いたとおり、本年10月に下記の要領で開催される予定です。

 

○標題

津軽デジタル風土記 「ねぷた 見送り絵リブート!」

 〜 デジタルアーカイブからよみがえる北斎の女たち 〜


○主催

大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国文学研究資料館

弘前大学

「津軽デジタル風土記」プロジェクト(2017〜2019年度)


○期間

2019年(令和元年)10月3日(木)~6日(日)

10001600(最終日は1500閉場)


○場所

ギャラリー森山(青森県弘前市樹木2-20-2)


○入場無料

 

何故「リブート」にするかということは、私は聞きなれなかったのですが、国文学研究資料館の木越俊介准教授によると、


 「リブート」とは、直訳では再起動だが、「リメイク」とは異なり、作品の世界観を保ちつつ内容は刷新するという場合に用いる。


 私がすべて長谷川達温先生の下絵から描いたのであればリメイクであるが、今回はねぷた絵の方向性を見極めた上で、温故知新を目指しているのでリブートが適切である。」

ということでした。

 

今現在私は、約30点を掲示できるよう鋭意努力して描いています。


チョイスされた読本挿絵(おおかた国文学研究資料館のチョイスです)を、ねぷた見送りとして適切になるよう補正して描いています。


一番補正することは、顔は勿論ですが、8頭身の姿です。


ねぷた本体に展開した時に下から見上げるような目線になるので、頭をあまり小さくしないよう調整(多くが胴体の長短です)しています。


また、すべてが北斎派の挿絵ではなく、歌川派の絵もあります。


私なりに言わせてもらえば、北斎派の絵は見慣れている感じですが歌川派は少し違和感があります。


それは同じ女性の立ち姿でも、歌川派は絵が(構図上三角形を念頭に置いているせいか?)横に広がり、安定感はあるが北斎派に比べ動きが鈍くなるような感じがします。


どうしても役者絵、歌舞伎絵が得意な歌川派なので仕方がありませんが、なかなか「手」を描かないので、動きを出す為に着物の袖のさばき方(着物の袖の描き方)に特徴があります。


絵の評論は避けたいところですが、何故歌川派の絵がねぷた見送りに採用になりにくいのかという疑問に、どうやらやっと回答できる位(点数つけると60点かな)になってきました。


 

今回の絵は、水滸伝の一丈青扈三娘です。

ねぷた絵の中でも最もポピュラーな絵の一つです。

この絵は元絵に比べ、向かって右の腕の長さを左右大体同じになるよう、かなり短く調整し、少し派手になるように色付けをしています。


派手な色付けを好まなかった先生には、少し叱られるかもわかりませんが、たまにはいいかなと思ってやってみました。

大判 一丈青扈三娘2 

  

大判 鳥の子色紙 水滸伝 一丈青扈三娘(hù sānniáng )      おわり