一昨日(106日)で津軽デジタル風土記ねぷた見送り絵リブート展が無事終了しました。

おいでいただいた方、ありがとうございました。

このプロジェクトは、来年3月15日の弘前大学で行われる仕上げのシンポジュームまで、弘前市立図書館、立川市の国文学研究資料館、弘前大学の順で公開展示があります。


 

さて、今回から少し展示を振り返りたいと思います。

ただ、明後日10から私と山本達扇さんのねぷた絵二人展を開催するので、そちらの発表作品と並行する形となります。


 

今回は、文政4年(1821年)に刊行された高井蘭山(たかいらんざん)作「星月夜(ほしづきよ)顕晦録(けんかいろく)、葛飾北斎の弟子の蹄斎(ていさい)北馬(ほくば)挿絵」から「貞女 賤櫛(しずはた)」です。


説明(国文学研究史料館木越准教授)→


局・松嶋に仕える侍女。松嶋と恋人・朝比奈義秀の文使いとなる。
やがて運命に翻弄され自害を選んだ松嶋に、死後なお忠節を尽くし、遺言を義秀らに届け、さらに北条政子の悪逆非道を明るみに出すなど奔走する。

文政期における北馬は、以前の文化期に比べ画風が変化し、師・北斎の影響から脱しつつある。


星月夜顕晦録 貞女 賤櫛(松嶋局侍女)

貞女 賎機

 

この絵は、長谷川先生の見送り絵下絵集にもありますが、華やかさに欠けるからだと思いますが、見送り絵として日の目を見ることのなかった絵です。

ただ、個人的に大好きな絵の一つで、元絵が明らかになった時に、真っ先に描くことに決めた1枚です。

本番のねぷたでは、この絵の水色を赤色に青草色を青色に替えて、グラデーションをかけると見送り絵として採用しても少し華やぐと思います(今回出典の全30点は全て一部の色を変更するとねぷた絵本番に利用できる、そんな考えで彩色しました)。

 

今後は、今回のプロジェクトでまだまだ描ききれなかった挿絵があるので、順次見送り絵にする予定です。