今回は、1988(昭和63)年と1989(平成元)年の小栗山ねぷた愛好会のねぷたです。

最初は、水滸伝「九紋龍史進勇戦の図」です。


小栗山1988


水滸伝を画材としたねぷたでは、今更説明の必要がないほどポピュラーな絵です。


スクリーンショット (6)

元絵の新編水滸畫傳(画伝) の九紋龍史進です。



見送り絵は、「殷の妲己
(いんのだっき)」です。

小栗山1988-2


元絵は、唐詩選画本の「長寧 公主(ちょうねいこうしゅ)」です。

妲己(だっき)とは、「中国,殷(いん)の紂王(ちゆうおう)の寵妃(ちようひ)。淫楽・残忍を極め,王ともども周の武王に誅された。亡国の悪女とされる。: Oxford Languages 」です。

日本では、玉藻前(たまものまえ)が妲己の生まれ変わりとされています(絵本三国妖婦伝)

玉藻前は、平安時代末期の鳥羽上皇の寵姫であったとされる伝説上の人物で、九本の尻尾をもつ妖狐の化身で、正体を見破られた後は那須高原で殺生石になったと伝えられています。


栃木県大田原市の玉藻稲荷神社、那須町の那須温泉神社の境内にある九尾稲荷神社が玉藻前を祀る神社とされています。

「殷の妲己」と「長寧 公主」は、このブログ2020年7月の259・260話に詳しく載せています。

 

1989(平成元)年のねぷたは、三国志「典韋(てんい)忠戦の図 」です。

小栗山1989

「典韋」については、このブログ2021年3月の282話を参照ください。


見送り絵は、「太真王夫人」です。

小栗山1989-2


「太真王夫人」は、このブログ2018年6月の172話に詳しく解説しているので参照ください。

 

さて、次回で小栗山ねぷた愛好会のねぷた紹介も終わりとなります。

路上社から発売された「弘前ねぷた平成総集編」には、同愛好会のねぷたの1989年から1991年分が欠落しています。
同社の当該年の「弘前ねぷた速報ガイド」には掲載されていますし、確かに運行しているので、気にしないでブログの続きをご覧ください。